第1364回 線虫で細胞分化の研究とがん細胞の探知

 今日の新聞に「線虫」という生物が、においで「がん」を識別する、という面白い記事が出ていました。線虫というのは体長が1mmぐらいのミミズのような細長い生物で海水中や土の中にいると書かれています。

 実際私は生物の実験で、単細胞生物を観察するために水中の藻や泥を集めて顕微鏡で観察する実験を何回も行っていますが。通常の単細胞生物のほかに、こういった線虫をよく見かけます。

 顕微鏡でみると半透明の細長い紐のようなものが蠢いています。しかし記事を読むと、2万種類が知られていると書かれていますから、私が見たのはそのほんの一部だと思われます。

 しかし昆虫や哺乳類と違って、外見はみな同じ。半透明の細長い生物ですから、これだけの種類があると言っても、遺伝子レベルの話かなと思われます。

 話を戻して、この線虫は特定の匂いに引き寄せられるようで、最初はがん細胞を培養した溶液、次ががん患者の尿と試したところ、それらに寄っていく傾向が見られたということです。

 実はこういった匂いでがん患者かどうかを見分ける方法は、すでに犬でも行われてます。しかし記事を読むと驚きますが、線虫による尿を使ったがん的中率は96%近く

 逆にがんでない健康な人の的中率も95%だそうですから、レントゲンや超音波による検査、さらには内視鏡、MRIといった、最新のテクノロジーよりも、線虫の方が的中率が高そうです。

 しかも例えば胃検診で使われるバリウムを飲む必要がなく、苦しい思いをして胃カメラを飲んだり、痛い思いをして大腸の内視鏡検査を受けたりする必要もなくなりそうです。

 さらに記事では、結果判定まで1時間半、コストが安く、早期がん発見の可能性も高いということで、何千万円もする高価な医療検査器具を購入する必要もなさそうです。

 当然医療費も減るでしょうから、病院や医療器具製造メーカーにとって痛手になりそうですが、患者側としてはメリットが非常に大きくなります。

 現在実用化の道を探っていると言うことですが、ここまで分かっているのなら、早く取り入れてほしいものです。

 なお線虫と言う生物は多細胞生物ではあるものの、その体を構成している細胞数は全部で959個と非常に少なく、(人間の細胞数は約60兆個)、1個の細胞が10回ほど細胞分裂(2を10回掛け算します)をすれば、そのからだが出来てしまいます。

 そのため個々の細胞がどのようにそれぞれの機能を持つ細胞に分化していくのかを調べるのに絶好の生物と言われています。また分化の途中で不要な細胞は自然消滅(アポトーシス)するのですが、このメカニズムも研究されているようです。

 というわけで、生物の分化の過程を調べるのに役に立ち、さらに成虫になってからはがん細胞発見に役立ちそうな生物として注目を浴びています。

 人によっては気持ち悪いと思うはずですが、これほど愛しい生物はいないと考えている研究者も多いように思います。


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hoku

Author:hoku
 高血圧、痛風の薬を毎日飲み続け、季節によっては喘息やアトピー症状に悩まされながら、健康に気を使っている60代前半のおっさんです。

 一時期、妻の突然の病死による家庭環境の激変と、仕事の重圧で、若干自律神経のバランスが狂ってしまい、体が勝手な反応をしていました(不眠、動悸、イライラ、悪夢、めまい等)

 しかし最近はなんとかその症状を乗り越え、これまで自身が体験してきた病歴と治療状況を詳細に報告しています。どなたかの参考になれば幸いです。

 ちなみに写真は私の大好きなハワイのダイヤモンドヘッドで撮影したものです。